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9月1日生 乙女座 O型 ♂好きな食べ物:湯豆腐 趣味:音楽鑑賞、アロマセラピー 元巨人 篠塚選手似のやさ男 HP "Vita Cantabile" を開設したのを機にブログも移転しました。今後はそちらで更新いたします。 カテゴリ
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本田美奈子さん追悼展 その2
その1からの続き
しかしそのいたたまれないような思いも、新境地を切り開いたソプラノヴォイスによる歌唱が紹介されると少しずつ平静を取り戻すことができた。あの直後もそうだったけど、大切な人を喪ったどうしようもない悲しみをその人の歌で癒してもらうという倒錯した現象を、ここでもまた体験してしまったわけだ。 「アヴェ・マリア」そのほかの歌は近作のクラシックアルバムからの音源と思われるが、それに収録時等の映像が重ねられ、あらためてあまりのかわいらしさに胸がキュンとなってしまう。 そしてここからがこのフィルムコンサート最大のクライマックスになる。野外でのコンサートの映像に「つばさ」のイントロが流れてくる。音響や録音の状態が非常にいいので、はじめスタジオ録音の音源にライヴの映像をかぶせているのかと思ったが、音声と完全にシンクロしているのでライヴの音源なのだと気づく。後で知ったところによると阿蘇山の麓の阿蘇ファームランドにおける服部克久氏主催のジョイントコンサートでの歌唱だという。晴れ渡った空の下で大好きな太陽の光を浴びながら美奈子さんが気持ちよさそうに熱唱を披露してくれた。声のつや、のび、魂をこめた歌い回し、どれをとっても最高に素晴らしかった。これまでに聴いたこの曲の音源の中でも一番の出来だったと思う。美しい阿蘇の風景も含めて心酔わせてくれる一時だった。 続いては2004年12月の「AAA(Act Against AIDS)」での「ジュピター」。噂には聞いていたが、これが凄まじい迫力だった。生きることの素晴らしさを全身で訴えかけるような力強い熱唱にほとんど度肝を抜かれてしまった。クラシックとのクロスオーヴァーに挑戦を始めてからの歌唱はスタジオ録音のほかいくつかのライヴ音源なども耳にしたが、この日はほかのものとは全く違ったレベルの鬼気迫る凄演だった。これが病気のために39度近い熱のある人の演奏なのだ。 さらに驚いたのはそれに引き続いて「1986年のマリリン」を歌い始めたことだった。聴衆にサビの部分の「マリリ〜ン♪」を一緒にコーラスすることを要求しながらノリノリで歌うのを呆然となって聴いていた。一体この二曲を続けざまに、しかもそれぞれの曲想に合わせて歌うことのできる歌手がどれほどいるだろうか。 コンサートの最後はあまりの迫力に気圧されてしまった魂をやさしくいたわるかのような「新世界」。スタジオ録音の音源だと思うが、驚きや喜び、深い悲しみの入り混じった感情を美奈子さんの歌声に慰撫される心持ちはまた格別だった。 唱法やジャンルを変える節目の心境を語るインタビュー映像や、遺された手記のナレーションをはさみながら美奈子さんの多岐にわたる業績を紹介するフィルムコンサートはこうして幕を閉じた。 45分にもわたって美奈子さんの熱唱を聴き続けて最後は腑抜けたようになってしまい、しばらくは立ち上がることもできなかった。この会場に美奈子さんも来ているのだろうかと思って途中何度かホールの天井を見上げてみたのだけど、生憎私にはその種の感覚が皆無で、何も見えなかった。モリクミさんなら私たちをやさしく見守る美奈子さんの笑顔が見えたのだろうか。 後ろの方の席からは「朝霞音頭」での手拍子や「マリリン」のコーラス、終了時の野太い声での美奈子コールが聞こえてきて感銘を受けたのだが、これは私が見た最後の5回目の上映時だけの演出だったようだ。その意味ではラッキーだったといえるかも知れない。このコンサートを複数回聴いた人も多かったようだが、私は一回聴いただけで精魂尽き果ててしまい、二回以上見るだけの強さはなかった。それほど充実した、素晴らしいフィルムコンサートだったと思う。 事務所のBOSSさんは大ホールへ入る際にみんなを出迎えるように階段の端に立っているのをお見かけして、心の中で会釈をさせていただいた。残念ながらお母様と妹さんはお見かけしなかった(あるいは気がつかなかった)。 お母様は美奈子さんの記念館を建てて欲しいという強い希望をお持ちのようだ。美奈子さんが歌にこめた思いを感じながらファンや朝霞市民のみなさんが憩えるような空間は私としても望むところ。何とかして願いが叶えられるよう、微力ではあるが協力して差し上げたいと思う。 今回のフィルムコンサートで使用された映像や音声は権利関係の処理が繁雑で、リリースするのが困難らしい。BOSSさんも苦慮されているようだが、「オン・マイ・オウン」と「つばさ」、「ジュピター」の3曲は、稀代の芸術家本田美奈子の真の姿を世に知らしめるためにも、万難を排して正規のリリースにこぎつけて欲しいものだ。 「追悼展」は今後全国で実施されるという情報もある。今回参加できなかった全国のファンの方がこのような素晴らしい体験をする機会が与えられるよう、関係の方々にご尽力をお願いしたい。 関連ページ: 2日間で4860人来場 本田美奈子.さん追悼展 朝霞:WEB埼玉 LIVE FOR LIFE in ASAKA 2006 追悼展 イベントレポート:ゴマブックスによるイベントレポート(衣装の写真の右端が20周年記念のために用意されたもの)
by neroli_bigarad
| 2006-04-26 22:11
| 本田美奈子さん
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